2015年1月6日火曜日

ナルドの香油3

惜しみなく注がれた香油

その時、
突然一人の女性が
イエス様に近づいてきました。

彼女はその手に、
純粋で非常に高価な
ナルド油のはいった石膏のつぼを
持って来て、
そのつぼを割り、
イエス様の頭の上に注いだのです。

この純粋なナルド油というのは、
ヒマラヤ原産のナルドという植物の
根茎から取った香料による香油で、
非常に高価なものでした。

当時、女性たちは、
自分が得たお金をこんな風にして、
純粋で高価なナルド油に変えて、
つぼの中にためていたのです。

今ふうに言えば、
結婚準備のための積立貯金のような
ものでした。

しかし、
それは現代の貯金なんかよりも
はるかに真剣なものだったようです。

少し大げさな言い方をすれば、
女性のそれまでの生命そのもの、
生活そのものだったのです。

この女の人は、
そのつぼを
イエス様のために割ったのでした。

そして、
この最高の香油を
イエス様に注いだのです。

それは
単に心のこもったおもてなし
という以上のものだったのです。

なぜなら、
このつぼは、
この人が、
いつか結婚するときのために
蓄えてきた
彼女の生命そのものだったからです。

この人はイエス様を愛するあまり、
今までの自分の人生そのものを
イエス様に捧げたのでした。

大切に大切に蓄えてきたものを
イエス様に注ぎ出したのでした。

イエス様への熱い思いと愛が、
この人にそうさせたのです。

それは誰から言われたのでもなく、
この人の心の底からあふれてきた
イエス様への愛が
そうさせた行動でした。

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