2015年1月6日火曜日

ナルドの香油4

愛は計算や効率を越える

ところが弟子たちの何人かは、
これを見て憤慨して言いました。

「何のために、
香油をこんなにむだにしたのか。
この香油なら、
300デナリ以上に売れて、
貧乏な人たちに
施しができたのに。」

そう言って、
この女の人をきびしく責めたのです。

確かに弟子たちの言うことは
妥当なことに思えます。

と言うのも
貧しい人に施しをすることは
ユダヤ人にとっては
重要な奉仕であったからです。

この女の人のつぼの中には、
300デナリ以上に売れるだけの香油が
入っていました。

当時普通の労働者の1日の賃金は、
1デナリでした。

ですから、
300デナリというのは
普通の労働者の300日分の給料に
匹敵します。

たったひとりの人に、
一瞬に香油を注いでしまうより、
この香油を売って
多くの貧しい人を助けるほうが、
はるかに効率が良いではないか。

弟子たちはそう思ったのでしょう。

なるほど、普通に考えれば
弟子たちの言うことは
妥当に思えます。

しかし弟子たちは、
一番大切なものを
見落としていました。

それはイエス様への、
この女の人への愛でした。

愛は効率や計算では動かないのです。

そして愛は、
人の計算や効率を超えて
はるかに大きなことを成すのです。

この女の人にとっては、
イエス様に
今までの人生を注ぎ出すことも、
300デナリになる香油を
一瞬にして失うことも
全く惜しくなかったのです。

このひとは計算や打算で
動いたのではありませんでした。

イエス様への愛が
この人を動かしたのです。

本当の愛は計算しないのです。

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